FIN/SUM2025出展ビジネスプラン
FIN/SUM2025に出展したビジネスプランをご紹介します。
概略
弊社は「テキストには書き手の意図と読み手の反応のセンチメントが内包されている」という仮説の下に独自のセンチメント分析手法を開発している。
プロの金融取引は限られた専門家の知識と情報収集とその分析を基に行われるが、一般の人が世界の政治・経済・企業動向を知る術は報道されるニュース・SNSに依存し、それを分析するツールを持たない。
弊社はニュース・SNSを中心に自動的にセンチメント分析を行い、その分析結果と近未来の金融動向予測を個人投資家に提供する、という革新的なテーマに取り組んでいる。その精度向上のためには、ニュース・SNSの配信テキストの信ぴょう性を判定する機能は非常に重要な開発課題である。その実現のために企業・大学と共同研究開発を行い、世界中の誰でもその機能を活用できるインフラを提供したい。
詳細
※PDF版はこちら
——背景——
新聞社が毎日発信するニュースをセンチメント分析し金融動向を予測するシステムを開発し精度を検証してきたが、その利用価値は一部の個人投資家に限られている。一方、同じテキスト配信であるSNSは新聞社のニュースとは異なるメディアとして、政治・経済・社会への影響力がより強くなりつつある。とくに米国では2024年の大統領選挙においてもその影響力が従来のメディアを超える勢いであった。
日本においても今後は同様になるであろう。SNSの配信テキストはニュースと比べてより自由でラフであり、包含されているセンチメントも多様であり、信ぴょう性の判断も複雑で難しい。弊社は、京都大学発ベンチャー企業として自然言語処理とテキストのセンチメント分析(AIによる)の分野でトップレベルの技術力を持つ。
今後需要が急激に広がると予測されるテーマとして、SNSで配信されるテキストに対する信ぴょう性を自動判定することが挙げられるが、まだ未知の分野であり実用化レベルのものは存在しない。その分野に焦点を合わす。
——開発目標——
(1)SNSの社会・政治・経済への影響力は日々増大しているため、ニュースに対するSNSの投稿や配信テキストから推論されるセンチメント指標と、元のニュースのセンチメント指標との相関関係を深層学習により発見し、その相関関係を判断基準として設定しSNSで同時配信されているテキスト集合の信ぴょう性(SNS-Truth)を数値化すること。
(2)SNS-Truthとニュースのセンチメント指標を複合化することで、一般投資家のマクロ的な心理変動を予測し、近未来の金融変動予測を生成すること。その精度を検証すること。
(3)SNS-Truthは政治・経済・社会・個人にとって非常に重要なテーマであり、その価値は計り知れない。SNS-Truthを使って多くの分野で創造的なアプリを開発すること。
——ビジネスモデル——
主要ビジネスは、
(1)SNSとニュースをリアルタイムに収集し、上記の開発目標にあるSNS-Truthとニュースのセンチメント分析を複合化して得られる金融変動予測を、政府・法人向けに有償のクラウドサービスとして提供すること。
(2)その他の分野ごとに開発するアプリのクラウドサービスを法人・個人向けに提供すること。
——活動計画——
2024年度までに開発済:
金融プロフェッショナルの支援によって、ニュースのテキストのみから抽出できる投資家心理と連動する独自のセンチメント指標を発見してその分析手法を確立し、その技術をクラウドサーバに実装。
ニュースをベースにしたセンチメント分析による高精度の金融変動予測手法を確立。
2025年度:
開発済のセンチメント分析手法と金融予測指標の有償提供サービスの開始。
SNS-Truthを共同開発する企業をリクルートし、新規プロジェクトを始動。
2026年度:
国際的なSNS・サービス会社と提携し、SNS-Truthをベースに高度な信ぴょう性チェック機能の共同研究開発センターを設立し、国際的なAIによるテキストの総合的安全性指標を開発して国際的に提供すること。